法月に聞いてみろ

法月綸太郎『生首に聞いてみろ』(ISBN:4048734741)読了。K.T.さん(id:jindong)は法月は私の中では完全に終わっていることを確認と書いているが、これは要するに「当たり前の推理小説になりやがって、面白くない」という意味なのだろう(違っていたらすみません)。しかしオレとしては法月綸太郎がさまざまな紆余曲折を経て、「当たり前の推理小説」を書けるようになったのを、いまは言祝ぎたい。

ただしこの作品において法月綸太郎(作者ではなく、作中人物としての)の推理は後手後手にまわり、事件を解決するためではなく、事件の梗概を読者に判りやすく説明するための存在になってしまっている。そこがいかにも、むかしながらの法月らしいというか。