おふとんもひとつ

赤色エレジー (小学館文庫)

赤色エレジー (小学館文庫)

全共闘世代のひとが思い入れたっぷりに語る漫画を、いまさら読むのは難しい。感動しても負けだし、感動しなくても負けだからだ(考えすぎである)。この作品は、わりと素直に感動してしまった。その要因になっているのは、主人公のふたりが学生ではなく、いまなら「クリエイター系」に分類される仕事(の最底辺)に就いているからだろう。あ、だからこの漫画を誉める業界人が多いのか。

ともあれ心情左翼だが組合運動にはさほど熱心ではない化粧っ気の乏しい貧乳ショートカット美少女という、ミスコン的美学とは相容れない存在である山口幸子は、日本のサブカル青年にとっての永遠のイコンというか、まあ、いつになっても騙されやすい対象なのであった(笑)。騙されたい。