弱者と弱者

遠藤浩輝短編集(1) (アフタヌーンKC)

遠藤浩輝短編集(1) (アフタヌーンKC)

この漫画家の存在は、つい最近までまったく知らなかった。しかしこの短編集はよい。初期の大友克洋をベースに山本直樹のテイストを加えたものと形容すると、何の独創性もない作品に思われるかもしれない。しかし「弱者は弱者を救済できるのか」「被害者は加害者を赦せるのか」といった現代的なテーマが、嫌味にならないかたちで盛り込まれている。お勧め。