倣岸さ

ファン裏切る“億万長者”のスト

笑いごとではないのは判っているが、日本一の発行部数を誇る新聞がここまでひどい内容の文章を「社説」として掲載するにいたっては、笑うしかない。「億万長者」という本文中では一度も使われていない言葉で読者を「煽る」あたり、讀賣新聞論説委員は物書きとしての最低限のモラルもプライドもないのだろう。

古田はたしかに「高給取り」かもしれない。しかし高年収であることと、「Working Class Hero」であることには、何の矛盾もない。そもそもジョン・レノンにしてからが高収入であり、かつ「Working Class Hero」であったではないか*1。とにかくオレは古田と選手会を支持するぞ。がうがうがう。


 おれたちは待つている

 正確な報道といつわりのない報道を

 だれにも遠慮のない

 何ものをも恐れない

 事実そのままの報道を

 それの最初の報道を

 それのぬくみをおれたちの手のひらが感じるナマの報道を

 それをまつさきに知るのがおれたちであり

 それの対策をまつさきに講じるのがおれたちである報道を

 それをおれたちにわたすのが君たちであり

 そのためにおれたちの感謝するのが君たちである報道を

中野重治「新聞を作る人びとに」より

*1:もっともこの曲の歌詞は、「ぼく程度の人間でも簡単に労働者階級の英雄になれるのさ」と自嘲しているのだが。