オルタナティブ

と、あたかもスポーツの試合を楽しみするかのようなノリで国会中継を楽しみにするのは、いささか「志が低い」のかもしれない。しかしもし、私たち音楽関係者は、著作権法改定による輸入CD規制に反対しますなどからはじまった動きが、衆議院での採決に影響を与えるとすれば、音楽ファン以外にとっても劃期的ではないだろうか。

どのサイトで読んだのかは忘れたが、おとなりの韓国ではゴールデンタイムにインターネットをネタにしたバラエティー番組が放送されたりと、一般マスコミの言論とインターネットの言論がシンクロして世論が形成される傾向があるようだ。それに対して日本では、インターネットの言説は一般マスコミの言説とは異なる、オルタナティブな回路で流通している(2ちゃんねるを筆頭として)。

もちろんオルタナティブであるがゆえの面白さが、日本のインターネットの面白さのひとつなのかもしれない。しかしここで、インターネットに発する運動が国政に影響を与えたという事例ができれば、「ネットの連中もなかなかやるじゃん」と一般マスコミもネットの影響力を見直し、いま現在、47氏不当逮捕をめぐって「運動」しているユーザーたちにも勇気を与えるのではないか。

だからこそオレは、「どうせ政治なんてそんなものよ」とニヒリズムに陥ることなく、この運動が実を結ぶのを期待したい。舞台が国政の場に移った以上、こうして自分の日記でひそかなエールを送るぐらいのことしか、オレにはできないのだが。