口メール

「キミ、ロメールなんか観ないでしょ」というセンテンスの「ロメール」を「くちめーる」と読んでしまい、センテンス全体の意味を「ああ、最近の若いひとは携帯電話で普通に音声通話することを『口メール』と呼び、しかもそれを『喋る』ではなく『観る』と形容するのか。近代が生んだ視覚優先型文化とは凄まじいものであるなあ」などと解釈してしまったオレは、要するにスカしたフランス映画とは縁のない凡俗の徒なのであろう。一作も観ていないのにエリック・ロメールを「スカしている」と思っている時点で、すでにアウトというか。