山谷ブルース

昨日から『山谷ブルース』[amazon]を読んでいる。岡林信康の伝記、ではなくて、いわゆる山谷のドヤ街をめぐるルポルタージュ。著者エドワード・ファウラーはジャーナリストでも社会学者でもなく、近代日本文学が専門の人文系のアカデミシャン。いわば専門外の著作であるわけだが、それだけに文章に過剰な思い入れがなく、落ち着いて読める。オレは浅草の外れから、旧吉原、山谷あたりの街並みが好きで、暇を持て余していた院生時代にはたまに散歩に出掛けていた(嫌らしい趣味だよな)。しかし実際に山谷のひとと言葉を交わす機会を得られることはなく、だからこそ同じころの山谷を取材したこの本には期待するところ大なのである。

なお政治問題やら社会問題やらとは関係なく、山谷の「風景」を知りたいというかたは、山谷界隈をどうぞ。