つまらない話だがほんとうだ。
携帯電話を受け取りに京王バス中野営業所へ。思ったよりも遠い。
帰りにあおい書店中野店に寄る。
大江健三郎『われらの時代』(新潮文庫)[amazon]
岡本薫『著作権の考え方』(岩波新書)[amazon]
『われらの時代』は大江作品のなかではかなり評価の低いものひとつで、特に買う気もなく立ち読みしていたのだが、途中から妙に惹き込まれてしまい、最後まできちんと通読したくなって購入。(準)童貞青年の性的妄想炸裂! としか形容のしようのないイカ臭くて粘液的な文体が素晴らしい。ただし猫好きには決して勧めない。
著作権ぐらい根拠の乏しい風説がまかり通っている法律上のトピックは少ないと思うが、『著作権の考え方』は現行の著作権制度の特色と問題点を手際よく整理しつつ、そうした数々の通説の誤りを丹念に指摘している。著者は文部科学省に勤めているそうだが、余情を排したロジカルな筆の運びは、いい意味で官僚的。痺れる。二次創作が大好きなオタクのみなさんも、おかしな手合いに言いがかりをつけられないための予防策として、読んでおくとよいと思う。即効性のある内容ではないかもしれないが。