マリナ

渡辺満里奈『満里奈の旅ぶくれ』(新潮文庫[amazon]を拾い読み。渡辺満里奈には「計算高い」というイメージがあるが、この本から伝わるのは、台湾で目にしたもの、口にしたもののすべてに素直な喜びの声を挙げる彼女のすがたである。そこにはあまり作為は感じられず、ゆえに好感が持てる。

宿主は「沢木耕太郎に較べると文章が下手で面白くない」とクサしていたが、それはさすがに比較する対象が間違っているわけで。というか、オレが美人の書いた文章に好感を持たぬはずがない。