走査線上の捜査線

代休を取っている宿主と一緒に、Tジョイ大泉まで「踊る大捜査線 THE MOVIE2」を観に行く。大泉学園に行くのははじめてなのだが、同じ練馬区でも練馬駅周辺に較べると、風景が郊外っぽい。オレがむかし住んでいた、世田谷区の千歳船橋祖師ヶ谷大蔵のあたりと似ている。駅からちょっと離れたところに、大きな撮影スタジオがあるのが共通点か。

映画は大変に楽しめたが、それがストーリーそのものが面白かったからなのか、いつものメンバーがいつもの役割を演じている安心感からなのかは、いささか微妙。まあ、シリーズもののミステリってのは、「いつもメンバーがいつもの役割を演じている安心感」に支えられているわけで(笠井潔の矢吹駆シリーズであろうとも)、それは別に否定すべきことではない。

作品全体の雰囲気は、政治的なメッセージのない「パトレイバー2」といったところ。お台場をめぐる都市論とか、「ここだけ押井が脚本を書いているのかよ!」と思ってしまいましたよ。「踊る」が「パトレイバー」に強く影響されているのは、周知の話ではあるが。

それから「THE MOVIE」にしても「THE MOVIE2」にしても、ストーリーの本筋とは関係のないサイコホラー的なエピソードが盛り込まれており、観終わったあとではそれが微妙な違和感を残す。内田樹であればこうした「何だか違和感のあるエピソード」を起点として、映画に込められたメタメッセージを鮮やかに剔出するのであろうが、あいにくオレは「脚本家がサイコホラー好きなんだろうなあ」や、「有名人をカメオ出演させるために、無理に役を作ったんだろうなあ」といったボンクラな感想しか浮かんでこない。

遠出するのも、ちゃんと映画館で映画を観るのも久しぶりだったので、かなりくだびれる。帰宅後はいきなり深い睡魔に襲われる。