空振り気味

今日が締切りの原稿を抱えていたのだが、月曜日に延びる。これならクアトロのDCPRGのライブに行けそうだと思って身支度していたのだが、どうにも狩野の様子がおかしい。食欲がまったくなく、春野が喧嘩を仕掛けてきてもだるそうにしている。持病の心臓病が悪化していたら大変なので、動物病院に連れて行くことに。なかなかタクシーがつかまらず、いらいらする。見知らぬおばさんが心配そうに、「動物病院なら中村橋のほうにありますよ」と声をかけてくれる。日本人は優しい。ペット連れなのが嫌だったのか、ようやく見付かったタクシーに乗車拒否される。日本人は冷たい。

診察の結果は飲み込んだ毛玉が胃の中に溜まって、体調不良を起こしているとのこと。毛玉を口から吐き出すのは心臓の負担になるので、薬を使って便と一緒に毛玉を排出するとよいとか。心臓そのものは前に較べて悪化していないらしい。ほっとする。いつもの心臓病の薬と、毛玉を便に混ぜるための薬を処方してもらい、帰りのタクシーに乗る。

ところが部屋に戻ってから、薬をタクシーに置き忘れたことに気が付く。こんなときにかぎって領収書をもらわなかったので、どこのタクシー会社なのかも判らない。これでは連絡のつけようもない。がっくり。前売り券を買ってあるライブに行けなかったのも、タクシーのなかに忘れ物をしたのも、これが初めて。何だか空振り気味の1日であった。