半神

世間でナイターを中継している時間帯は、仕事をしているか外で呑んでいるかのいずれかなのだが、今週はタイガース戦をTV観戦する機会が2回あった。いや、強い。時速160kmの豪速球を投げるピッチャーや、毎試合のように場外ホームランをかっ飛ばすバッターがいれば、「強い」わけではないのだ。それをつくづく実感する。

今日の対ジャイアンツ戦にしても、一昨日の対ベイスターズ戦にしても、相手チームとタイガースにそれほど実力差があったようには思えない。ただ何が何だかよく判んないうちに、相手チームが勝手に自滅しているのだ。どうということのないスクイズの処理を誤って相手がもたついているあいだにランナーが全員生還して、打った本人まで三塁に進んでしまった一昨日の試合の7回表は、その典型であろう。こういう「正体不明の運の強さ」は、年俸をいくら積んだところで獲得できない。1985年のタイガースや1998年のベイスターズに憑依していたのは、こうしたたぐいの「強さ」である。