本日の読了本

中島敦 父から子への南洋だより

中島敦 父から子への南洋だより

初版を手にしたのはだいぶ前だか、実際にきちんと通読したのはこれが初めて。長男から送られてきた手紙の文字遣いの誤りを厳しく叱責しているのが目に付く。
大岡昇平は1909年五月生まれ、中島敦は同年5月生まれ、太宰治はこれまは同年6月生まれ。戦時中に落命した中島、敗戦の食後に自死したあとのふたりがもっと長生きしていたら、歴史的仮名遣いと正字を放棄して、ある時期からの大岡のように「間違っているが、敗戦国であるからには間違った書法を採用しなければならい」というロジックで現代仮名遣いと略字を採用しただろうか。何となく興味のあるところだ。

これから読む本

自分にプレッシャーをかけるために、優先的に読むつもりの5冊の本にリンクする。いずれも入手済み。順不同。

国語審議会─迷走の60年 (講談社現代新書)

国語審議会─迷走の60年 (講談社現代新書)

禁色 (新潮文庫)

禁色 (新潮文庫)

叫び声 (講談社文芸文庫)

叫び声 (講談社文芸文庫)

本文の生態学―漱石・鴎外・芥川

本文の生態学―漱石・鴎外・芥川

文壇論争術 (1962年)

文壇論争術 (1962年)

実印をめぐる実際的な疑問

オレが現役の学部生・院生(1989年から2008年1998年まで)だったころは、履歴書の「氏名」の欄に実印を押すのがマナーというか、常識であった。しかいいま市販されている履歴書の「記入例」に実印を押すのを推奨しているものなど、どこにもない。「実印重視社会」から脱却しつつあるのであれば喜ばしいことだが、意外なところで「サインや拇印では信用できない。実印が必要だ」と言われることがある。何を判断して実印のあるなしを判断しているのだろうか、金融や運送にかかわるひとたちは。