あとがきなき作家

こどもの体温 (ウィングス・コミックス)

こどもの体温 (ウィングス・コミックス)

それぞれのエピソードが緩やかな関連を持つ短篇連作集。うまいなあ。ボーイズラブ色は皆無(1ページだけそれらしいシーンがあるが)。あとは第1話と最終話に出てくる「森さん」がけっこう好み(笑)。
ところでよしながふみの単行本には、「あとがき」がほとんど付いていない。漫画やエンターテインメント小説、とりわけボーイズラブのように作者と読者のあいだに何らかの「共犯関係」が求められるジャンルでは、読者への目配せとして「あとがき」が多用される。数日前にTwitter経由で2ちゃんねるのアンチよしながスレッドを読んだのだが、学歴自慢が多い、「生まれ付いての天才」が多い(この作品なら第4話に登場する西園寺がそうだな)、要するに「何だか偉そう」という意見が主流だった。オレは彼女の作品からそのような印象を受けたことはないのだが、もしかしたら「あとがき」がない(読者に中途半端な媚びを売らない)のが、「何だか偉そう」と思わせる原因のひとつかもしれない。

若手エンジニアはメールを読まない?

はてな近藤社長のブログを読んでいたら、驚くような一節があった。

最近の若い社員は、メールを送っても数日に1回しかメールをチェックしないので来ていることに気づかない、みたいな人もいてさすがに1日1回はメールみてくれよ、などと言ったりするのですが、相対的にメールの使用頻度は下がってきているような気がします
日記を書く - jkondoの日記

仮にもIT企業の社員ともあろう者が、数日に1回しかメールをチェックしないとは、そんなことでいいのだろうか。と、これまたTwitterで知人に教えてもらったのだが、「ライフハック」とやらが大好きな若手エンジニアのあいだでは、メールをまめに読まないひとが増えているらしい。たとえば下の例。
ライフハック交差点 : 第3回 「情報ダイエット」でシンプル・ライフを
http://gihyo.jp/lifestyle/serial/01/crossover/0003
まあ、IMやら何やら、メール以外にもクローズドな手段で連絡できるツールが増えているのだから、「相対的にメールの使用頻度は下がってきて」いるのは事実かもしれない。しかし「ネット上でもっとも確実で信頼できる連絡手段は、最終的にはメールしかない」と思っているオレのようなおじさんは、どうにも戸惑ってしまう。
それにしても「時間の無駄遣いを防ぐ」という記事が本当に好きだよな、ライフハックが大好きなお子様は。そんな彼らが無駄にならずに済んだ時間で何をやっているかというと、別のライフハック系の記事を読んでいる気がしてならない。