腐男子失格

今日はガタケットに行って新潟の腐女子文化に参与観察(社会学用語の濫用は避けましょう)するつもりだったのだが、起きたらもう昼過ぎ。これでは会場に到着するころにはすっかり「宴のあと」になっていそうなので、あきらめる。なぜ同人誌即売会の閉会時刻はあんなに早いのだろうか。
しかしよく晴れた日曜の午後に家にこもっていてもつまらないので、万代にあるガタケット事務局直営の同人ショップに行く。女性向けの同人誌がほとんど。これは新潟にかぎったことではなく、地方都市では男性向け同人誌の創作はあまり盛んではないそうだ。あとこの手の同人誌はA5判が主流だと思っていたのだが、B5判が目立った。
店内はガタケット帰りかもしれない女の子で混み合っていた。容貌やファッションセンスが常軌を逸しているひとはまるで見当たらないが、床にしゃがみこんで慣れた手つきで棚差しの同人誌の表紙をチェックするすがたには業を感じる。中古レコード店でアナログ盤を漁る音楽マニアの男子だって似たようなものだが。
まったく「見る目」が養われていないオレは『鋼の錬金術師』と『DEATH NOTE』から、安くて表紙の絵のセンスがいいやつを選んでレジに運ぶ。帰宅して読んだら、どちらも激しい濡れ場があるようなタイプではなく、ライトでコミカルなパロディ。こういう作品のほうが読んでいて楽しいね。

本ばかりが増える

紀伊国屋書店でも買い物。

逃亡日記

逃亡日記

失踪日記』からこのかた、漫画はほとんど描いていないはずなのになぜ新刊が出たのだろうと思いきや、自伝的なロング・インタビューであった。ギャグ漫画家は韜晦癖が激しく、エッセイ風の作品でもなかなか本音を語らないので、こういう本は資料として役立つかもしれない。吾妻ひでおの娘さんが寄せていたコメントとイラストに心なごむ。
冠婚葬祭のひみつ (岩波新書)

冠婚葬祭のひみつ (岩波新書)

昨日、去年の秋に出版されたアカデミシャンではない女性が書いた教養系の新書がいかにひどい出来栄えであるかについて、友人から延々とメッセンジャーで話を聞かされたので、口直しのためにアカデミシャンではない女性が書いたまともな教養系の新書を猛烈に読みたくなったのである。内容は未知数だが、斎藤美奈子が岩波から出しているのだから、箸にも棒にもかからない代物ではないだろう(この権威主義者め)。巻末の「もっと知りたい人のためのブックガイド」と「主な参考文献」が充実しているだけでもほっとする。じつはオレも「去年の秋に出版されたアカデミシャンではない女性が書いた教養系の新書」は店頭で手に取ったのだが、巻末の参考文献一覧の貧弱さに呆れて、読む気をなくしたのだ。あのときの直感は正しかったわけか。