「ハガレン」好きの男子は、なぜオタクらしくないのか

フジテレビの「EZ!TV」で、「実録『電車男』 オタクに恋する女性の本音」という特集があった。登場するオタク青年がデートで劇場版「鋼の錬金術師」に行きたがるといった細部の描写が、どうにも「らしく」ない。「ハガレン」は男性オタクが積極的に観たいと思うアニメではないだろう。地上波民放のバラエティ仕立ての報道番組に「真実」など求めていないが、どうせならもっときっちり演出してほしい。
特集は「『電車男』ブームによってオタクに対するイメージが、ネガティブなものからポジティブなものになった」と締めくくられていたのだが*1、ネガティブでも何でもなく、単に無視されていたのが実情なのでは。まあ、「電車男」ブームで2ちゃんねるに対するイメージは変化したのかもしれないが、これにしても「無視しきれなくなった」程度の話にすぎない。

*1:フジの番組としては、こう締めくくらざるを得ないのだろうけど。

「新宿」はなぜ新宿らしくないのか

容疑者 室井慎次」を観る。派手な演出に頼らずに、事件の真相があきらかになる過程をじっくり楽しませようとしたのだろうが、肝腎の事件の構造がそれほど複雑ではないので、いささか物足りない気分で劇場を出る。
それにしても実写映画で描かれる「新宿」は、なぜ新宿らしくないのか。アニメ「東京ゴッドファーザーズ」(ASIN:B0000YTR7S)の新宿は、いかにも新宿らしいのに。
なおこの件に関しては、m@stervisionのレビューが参考になる。

「アニメーションであることの強み」とは言うまでもなくそれが実写ではないことだ。つまり現実問題として東京の街はあれほど美しくないし、もちろん都合よく雪景色になってくれたりもしない。
http://www.ne.jp/asahi/hp/mastervision/archive2003c.html#godfathers

「現実の雨音」よりも、さまざまな小道具を駆使して作った「人工的な雨音」のほうが、「ホンモノ」らしく聞こえるのと同じか。