傾向的

少し前に流行した「100の質問」にしても、いま一部の界隈で話題になっている現代系オタの特徴次世代オタクの特徴にしても、質問を作成した側の「偏向」が窺えるのが、面白くて、かつ退屈なんだよね。本好きだか小説好きだかの100の質問に回答しようとしたとき、「小説を読む人間はキャラ萌えしているに違いない」という前提に立った質問が多く、思い切り萎えてしまったことを思い出す。

オレは19世紀以降に日欧米で発表された文学作品ばかり読んでいる(ほかは読む気がしない。何を読んだらいいのか判らない。「どうせ退屈だろう」という偏見を持っている)という非常にダイナミック・レンジの狭い男なので、「小説と名のつくものならとりあえず何でも読む。あるいは読むことを心がけている。ジャンルに対する特別なこだわりや差別などはない」だなんて烏滸がましいことは、口が裂けても言えない。ま、クンデラあたりの口吻を借りて、「小説とは19世紀ヨーロッパのブルジョワ社会が生み出した文学の私生児であり、『源氏物語』や『アラビアン・ナイト』を小説に含めるのは遠近法的倒錯にすぎない」と主張するのなら話は別だけどさ。ちなみに「文学や哲学に詳しい」や「ファッションには気をつかうほうだ」についても同断。こういう項目に堂々とマルを付けるひとの心理とは、いったいいかなるものであるのか。

マリナ

何だって渡辺満里奈の本を買う気になったのか、疑問に思われたかたもいるかもしれない。仕事でおニャン子がらみの原稿を書くかもしれないとか、アジアの食文化に対する個人的な関心が高まっているとか、そうしたまっとうな理由もいくつかあるのだが、じつは単にファンなのである。おニャン子時代の彼女はもちろん、スチャダラやオザケンと接近してサブカル村のアイドルとなった時期の彼女にもあまり深い関心はなかったのだが(そもそもおニャン子はほとんど見ていなかった。世代的にはもろにかぶるのにね)、30歳をすぎてからの彼女はなぜか魅力的に思えて仕方がないのである。

ほかに好きなアイドル(というか女優)というと、仲間由紀恵篠原ともえ緒川たまき菅野美穂などが挙げられるわけで、ある種のパターンにものすごくはまっている感じがする。しかしなぜ「菅野美穂」は一発変換するのかね、MS-IME2002。

カモ

母親より送られし新潟県加茂市名産の鴨汁を頂戴する。細かい具がごちゃごちゃと詰まっている料理は、何でも好きなオレではある。市名が「カモ」だから、とりあえず「カモ」汁を名産にしてしまえという安直さが感じられるのが、じつに新潟らしくて素晴らしい。