フォッサ・マグナの向こう側

関西人が編集しているブログや雑誌を読むと、「中島らもは東京では過小評価されている」という発言にたまにお目にかかる。「いや、東京でも充分にリスペクトされているではないか」とそのたびに思うのだが、彼は関西人にとってもっと存在感のある人物だったのかもしれない。
10年以上前になるが、オレは新潟県の青海(青海駅はむかしから「海から最も近い駅」としてマニアのあいだで有名だったが、中越沖地震で一般にも知られるようになった)に行ったことがある。同じ新潟といってもフォッサ・マグナの西と東ではこんなに雰囲気が違うのかと、そのときはかなり驚いた。何しろ新潟市や東京ではお目にかかる機会のない芸人がバラエティー番組にわらわらと登場し、CMの雰囲気も東日本とは異なる。あとはコンビニの店員が喋る言葉にも、これまでには聞いたことのない微妙なアクセントがある。
何しろオレは西日本に住んだことがないどころか、西日本に滞在していた期間が総計でも1週間前後の男である。途方もない勘違いに陥っている可能性は捨てきれないが。