10年ぶりのフランス文学

Philippe Le Marrec "TOUT ABUS SERA PUNI"
http://www.amazon.fr/dp/270242340X/
はやければお盆休みのころには読み終わっているかも」といっていたのに、手を付けるのが遅れてしまい申し訳ない、Kさん。高級ブランデーで有名なコニャック市が主催している推理小説文学賞の1993年度受賞作。ちなみにポール・アルテも同じ賞からデビューしている。
フランス語で書かれた小説にじっくりとりかかるのは10年ぶりになるが、すっかりなまくら刀になっているのを痛感させられる。マラルメヴァレリーにいじめぬかれた身なのでシンタックスは理解できるのだが、語彙が乏しいのだ。基本的な語彙を忘れているし、何よりもクラシックな文学作品を学んでいてはお目にかかる機会がない語彙が多い。シンタックスは判るのに語彙が不足しているせいで文章が理解できないのは、じつにもどかしい。パソコンは使い慣れているのに携帯電話は使い慣れていないひとが、携帯メールを書こうとするときに感じるもどかしさに近いだろうか。
ところで「文法は覚えているのに、単語は忘れた」というのは、外国語の勉強をさぼっていた人間にはありがちなパターンなのだろうか。ふつうは反対のような気がするのだが。