小ささゆえの怖さ

怪獣映画といえば、「グエムル 漢江の怪物」は観たいと思っている。予告編を観て、登場する怪獣がほどよく小さかったのが気に入ったのだ。殊能将之もこの映画について、「怪獣はあんまりでかくないほうがこわいねえ」と評している。ゴジラみたいに身長が50メートルにもなると、「すごい」とは思っても、「怖い」とは思いにくくなる。
ここでいきなり話は変わるが、オレはスポーツ選手でも映画俳優でもない日本人男性としては、それなりに背が高い。ゆえに自分よりも長身のひとと対面する機会はほとんどないのだが、たまにあるとどっと疲れる。(文字通りの意味で)相手に見下されている印象、そこはかとない圧迫感。小柄な男性は日々このような感覚に苛まれているのか、それとも馴れっこになっているのか。あるいは男性対男性、男性対女性、女性対女性では、感じかたに違いがあるのか。
ここで話を戻すとグエムルが人間に与える恐怖心は、大柄な人間が小柄な人間に与える圧迫感に近く、その辺が怪獣映画としては「リアル」なのだろうな。と、観る前からこれだけ語るのはどんなものか。