「私のまいにちに好きがなくなった」

女の子ものがたり

女の子ものがたり

自伝的な要素が強いと思しい西原理恵子作品を読むたびに感じるのは、彼女のヤンキー文化に対する愛着と、その一方にある醒めた視線である。この分裂は彼女がみずからのプロフィールをときに「高校中退」、ときに「美大卒」と規定する(どちらも事実なのだから、嘘はついていない。そしていずれの場合も「高校中退なので難しい字が書けない」「美大卒なのにこの程度の絵しか描けない」といった自虐的なニュアンスで使われる)分裂と、どこかで繋がっている気がする。でも誰でも気付くか、この程度なら。