教育問題にひとこと

世界史であれ日本史であれ、近現代史なんてものは学校教育とは関係なく勝手に学ぶものである。「自虐史観」をめぐる昨今の論争でおかしいのは、子供は歴史の教科書の内容を真に受けるのを前提としている点だ。そんなもの、誰が真面目に信じているのだろうか。そもそも日本の近現代史でもっとも印象的な「黒塗り教科書」のエピソードなど、「教科書は信用できない」というメタ・メッセージを発しているではないか。現代国語と近現代史に関しては教育は無力であって、若者の自発的な向学心にすべてを期待するしかない。そして若いころにその程度の向学心すら発揮しなかった者は、沈黙しているがよい。