植民地主義者の夢

午睡して、月世界旅行に行く夢を見る。月だというのに海があり、空気があり、「原住民」たちがパーカッションを楽しそうに叩いている。これでは東南アジアかインド洋のリゾート地と変わるところがない。夢のなかのオレは月に空気があるのを不審に思い、「原住民」は地球から連れてきたのだと見当を付けたが、海に関してはいかなる疑問も湧くことがなかった。「晴れの海」や「静かの海」といった名前がよろしくないのだ、おそらくは。