終戦記念日からクリスマスへ

「戦メリ」がさっぱりクリスマス・ソングに思えないのは、もとが夏の映画の主題曲だからだろう。しかし南半球のひとにとってはクリスマスは「夏の行事」として認識されているはずで、「冬を感じさせないからクリスマス・ソングではない」というのはとんだ北半球至上主義である。
またこの曲は8月15日前後に放送される、アジア太平洋戦争を扱ったテレビ番組(いわゆる「八月ジャーナリズム」)のBGMとしてよく使われていた。ゆえにオレは終戦記念日ソングだと思ってしまうのだ、どうしても。もっともこの曲が終戦記念日ソングとして活用されてきたのは、ひとえに「夏の映画」だからであって、「戦メリ」が終戦記念日ソングからクリスマス・ソングへと移行したのは、われわれが「八月ジャーナリズム」の呪縛から逃れつつある証拠なのであろう(そんなわけはない)。