隣の韓国人

新宿で友人と呑んでいたら、となりに座っていた韓国人男性二人組に話しかけられる。向こうは日本語が喋れず、こちらは朝鮮語を解さないという環境のもと、拙い英語でコミュニケーションが交わされる。
そのうち、「いま韓国の男性で熱狂的に支持されている日本映画がある」という話になる。何でもその映画は「オゲンキデスカ? ワタシハゲンキデス」というセリフが印象的で、ビデオを撮るのを趣味とする高校生の女の子が主人公であるらしい。
「それってもしかしたら、ヒロスエ・リョウコの『20世紀ノスタルジア』なのでは?」と話を振ったら、まさにどんぴしゃり。日本人二人組は大いに驚愕。国内では知名度の低い作品が海外では人気を博すという現象は特に珍しくはないのだが、われわれは「20世紀ノスタルジア」が日本の映画ファンや広末涼子ファンから受けている何とも微妙な扱いを知っているので、不意打ちを食らった気分になったのだ。いや、これはむしろ韓国人のほうが「20世紀ノスタルジア」を正当に評価する眼を持っていたというべきか。

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