石原藤夫がいつの間に……

靖国神社一問一答

靖国神社一問一答

だらだらとネットを徘徊していて見付けた本。「この石原藤夫って、あの石原藤夫じゃないよな」と思ってアマゾンの「著者紹介」を調べたら、

日本文芸家協会日本推理作家協会日本SF作家クラブなど会員。論文特許多数の他著書百冊以上。工学博士。日本SF大賞特別賞受賞。(靖国神社崇敬奉賛会終身会員、伊勢神宮明治神宮など崇敬会会員)

とあった。うわ、あの石原藤夫だよ。ほかには『卑弥呼日本書紀』、『女性天皇の歴史』といった著作もあるようだ。石原藤夫といえば日本では珍しい根っからの理工系のハードSF作家というイメージが強く、政治や社会について積極的に発言するタイプだとは思わなかった。それがなぜいまでは、そこらの嫌韓厨とさして変わらない主張を著作やサイトで繰り返すようになったのだろうか*1
オレはもちろん石原藤夫の政治的な立場にはまったく同意できないのだが、SF作家、SF書誌家としてのまともな業績を知っているだけに、あまり強く批判したくはない。これは米長邦雄がいまの天皇から、「(国旗掲揚や国歌斉唱は)強制になるということでないことが望ましい」と切り返されたときに多くの将棋ファンが感じたであろう感情と、もしかしたら似ているのかもしれない。
もっともオレは石原藤夫の小説やエッセイを面白いと思ったことはないし、『SFキイ・パーソン&キイ・ブック』(ISBN:4061488155)の編集方針や「ハードSF研究所」の活動は、ハードSFを重視するあまり、それ以外のSFのありようを軽視しているのではないかとも思っているのだが……。

*1:この件に関しては、個人的な憶測があるのだが、「個人的な憶測」もいいところになのではっきりとは書かない