ネガティブ/ポジティブ

森健『インターネットは「僕ら」を幸せにしたか?』(ISBN:4757211708)を第5章まで読み進める。ある友人が「いい本だけど、結論があまりにもネガティブなのではないか」と言っていたが、たしかにそういう側面はある。
サイバーカスケードに巻き込まれたくなかったら、インターネットを利用しなければいいのかもしれない*1ICタグで行動を監視されたくなかったら、Suicaを買わなければいいのかもしれない*2。しかしそれは、あまりにも消極的な解決策なのではないか。
アルコールやドラッグへの依存症がそうであるのと同じく、インターネットへの依存症から立ち直るためには、インターネットが使いたくても使えない環境に一時的に身を置くのが最善の策なのだろう。しかしいまの社会はインターネットなしでは成り立たないようになっており、いざ「社会復帰」すれば、以前と同じような依存症に陥るのは目に見えている。さらにICタグにいたっては、本人の意志とは関係なしに各種のカードや商品に埋め込まれているので、積極的に拒絶するのはさらに難しい。

*1:利用するとしても、地域や生活に密着した情報を調べるのにとどめる。

*2:ちなみにオレはSuicaを買ったことはないが、仕事柄、家にこもっていることが多く、利用する機会が少ないからにすぎない。