女と鉄道

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もとの記事は「いまどきの女子高生」バッシングにすぎない(ように見えた)のだが、こうした批判はなぜ女性に集中するのだろう。もともと通勤・通学の手段として発達した日本の鉄道はきわめてホモソーシャルな世界で*1、かつては女性がひとりで乗ること自体がまれであり、女性のちょっとした振る舞いが攻撃の対象になりやすい、という仮説を立てたのだが、いかんせん思い付きの域を出ない。ただし電車内における痴漢の多さや、鉄道ファンにおける女性の少なさは、ここから説明できそうな気がしなくはない。

 中学一年生のある朝、電車で通学するようになった私は、車内で衝撃の光景を目にした。乗客のほとんどをしめるサラリーマンが、ポルノグラフィ入りのスポーツ新聞や、きわどいグラビアがおどる雑誌を読んでいるのである。
 見るかぎり、その人びとは、きっちりネクタイをしめ、ぱりりと背広を着こなしており、立派な社会人のようだった。家ではよき夫、よき父であろうことも察せられた。
(中略)
 ちなみに、乗車マナーの徹底が叫ばれる現在にあっても、車内での迷惑行為に「ポルノグラフィを見ること」は数えられていない。「車内で化粧する女」は批判の対象になっても、「車内でポルノを見る男」は無罪放免なのが現状なのである(鉄道会社は、駅売店や中吊り広告をつうじて新聞社や出版社と取引があるから、強くいえないらしい)。
渋谷知美『日本の童貞』(ISBN:4166603167)あとがき

*1:いまだにJRには女性の従業員が極端に少ないことは、原武史『鉄道ひとつばなし』(ISBN:4061496808)で指摘されている。