ヤス×ノブ

部屋に転がっていた矢沢あいNANA』を11巻まで一気に読む。途中から次第に物語の力点がずれてくるのは、なまじ人気の出てしまった漫画の宿命だが、これを「宿命」として甘受するような業界の構造はどうにかしたい。オレが変えられるものではないが。21世紀にもなって、こんなオーセンティックなパンクバンドは売れないだろ? ヤスはなぜ大学を卒業した次の年に弁護士になって法律事務所で働いているのだ、司法修習制度はどうした? といった細かい疑問や矛盾が、物語が進む過程でいささかこじつけ気味に解決されていくのが、この作品がもともとは読み切り漫画であったことを感じさせる。