外部進学組が「浮いて」しまいがちな名門私大に入った地方出身の優等生(仮性ゲイ)と、与党政治家の息子として何不自由なく育った内部進学組のドラ息子(真性ゲイ)の
恋物語。この設定だけ取り出すといささか陳腐だが、キャンパスライフの細部がリアルに描写されているので、楽しく読める。おそらくは
よしながふみ本人の経験が、それなりに反映されているのだろう。大学を舞台にした漫画は数多いが、ここまでゼミや講義の模様を丹念に描いているのは珍しいのではないか。『
げんしけん』なんか、登場人物がサークル室以外にいるのをほとんど見たことがない(笑)。
ところで
ボーイズラブが抵抗なく読める男性と、どうしても苦手な男性は、わりとはっきり分かれる気がする。中間層がいないというか。