女房役

おおきく振りかぶって (1)

おおきく振りかぶって (1)

おおきく振りかぶって (2)

おおきく振りかぶって (2)

3巻を買わなかったのは発売中だと知らなかった*1だけで、他意はない。といったあたりにオレの時流への感度の鈍さが露呈されているわけだが、そんなことはともかく、多方面で話題になっているだけあり、たしかに面白い。

蓮實重彦が似たようなことを指摘していたが、野球というスポーツの特異性はキャッチャーを「女房役」と呼ぶ点にある。このため、ピッチャーとキャッチャーのあいだには、ある種の擬似的な恋愛関係が成立する。自分にまったく自信が持てないピッチャーと、自信過剰気味のキャッチャーが、おたがいに歩み寄りながら信頼関係を築いていく『おおきく振りかぶって』に同性愛的な物語を読み込むひとがいるのは、それなりに自然なことなのであった。

*1:というか、近所の本屋に置いていなかった。