オタクとポルノ

新宿で呑む。参加した6名中、4名が『げんしけん』愛読者であった。そうでなくても、最近はいろいろなひととこの漫画について語る機会が増えている。

前にも書いたことだけど、オタクと「エロ」が結び付けられるようなったのはいつからなのだろう。似た表現の繰り返しになるが、「SFやミステリの熱心な読者で、がりがりに痩せていて、観念的で小難しい議論を好み、どちらかといえば『モテない』ほうかもしれないけど、恋愛やセックスに対しては世間並みの価値観を持っているひとたち」というのが、オレがオタクに対して抱いているイメージである。だからこそ『げんしけん』の登場人物がひたすらポルノばかり消費しているのが、異様に見える。オレが高校生だった1980年代なかばから、いまなら「萌え」系に分類される漫画やイラストはあったが、それは文字通りの意味での「オカズ」であり、決して主食ではなかったからだ。

しかし最近では、ポルノ的な作品に脊髄反射的に「萌え〜!」と叫ぶのがオタクのたしなみになりつつある。いつ、どこで、このような断絶が起こったのか。

あ、いまでは「がりがりに痩せていて、観念的で小難しい議論を好み、どちらかといえば『モテない』ほうかもしれないけど、恋愛やセックスに対しては世間並みの価値観を持っているひとたち」は、オタク文化ではなく、現代思想社会学に関心を持っているのかもしれない。