坂本くん

鈴木謙介さんと同行し、津田大介さんが参加したJASRACシンポジウム2004 音楽コンテンツ流通の現状と末来に参加する。詳しい感想は土日に書くが、丸山茂雄氏の「この業界ではむかしからコンピュータに詳しいのはミュージシャン本人でねえ。たとえば坂本くんのテクノとか」という発言が印象に残る。

ここで重要なのは、丸山茂雄氏が坂本龍一を「くん付け」していることにある。いまでこそ坂本龍一は「世界のサカモト」で、「教授」というニックネームを使うことすら憚られる存在になっている。しかし丸山茂雄にとっては、坂本龍一は相変わらず「くん」なのだ。こうした認識のずれや断絶は、意外と大きいのではないだろうか。20年前の坂本龍一は、「くん」付けされても不自然ではない存在だったのだ。しかしYMOが結成されたころ(1978年)に生まれたひとにとって、坂本龍一は「何だかよく判らないけど、とりあえず偉いひと」なのだろう。より若い世代ともなれば、なおさらだ。若いひとの歴史認識Yahoo!型ではなく、Google型になっている*1

*1:上位のディレクトリの存在を意識せず、ピンポイントで単語と単語をフラットに並べるのが「サーチ」だと思っているという意味で。