フリクション

今日は特に書くことがないので、昨日放送された、上山和樹さん(id:ueyamakzk)や死に舞くん(id:shinimai)が出演したネットラジオ「今夜も電波!」の感想を少々。

「上山さんの話が聴きたいひと」と「死に舞くんたちの議論や音楽に興味があるひと」ではだいぶ層が異なり、実際の放送ではその辺のフリクションが顕在化するのではないかと、放送を聴く前から少しだけ危惧していた。実際、番組専用の掲示板を見ると、「難解ぶった議論には意味がない」「ビートルズクイズに何の意味があるのか」「もっと上山さんの話が聞きたかった」といった意見が目に付いた*1。またゲストに招かれたid:kijiqさんが、「みんな、難しい話をしすぎ」とちょっと苛立つシーンもあった。オレは「私有財産制度なんて否定しますよ、ぼくは!」という死に舞くんをはじめ、このご時世に左翼的なアジテーションを口にする文化研究や社会学を専攻する20代のアカデミシャンに好感を持っているのだが、「世間知らずの学生の世迷い言」と受け止めたリスナーも多かったのだろう。

何にしても、微妙に異なるコミュニティー*2に属するひと同士が対話するのは、有意義なことだ。オレ自身、むかしからの知り合いや、出版業界関係のひととの集まりにしか顔を出さなくなりつつある自分を、「これじゃ、ヤバいかもな」と感じるようになり、JASPM複写と著作権メーリングリストといった「ちょっと場違いなコミュニティー」の会合にも、意識的に顔を出すようにしている。コミュニティーの内部にいるひとがオレの話にどのくらい刺戟を受けたのか、いささか心許ないが、少なくともオレはコミュニティーの内部にいるひとから有意義な情報や見解を得られた。かといってあまりにも場違いすぎるコミュニティーに参加してもまったく話が噛み合わないままに終わるだけで、その辺の見極めが重要になるのだろうな、と。

*1:なお「ysk」という名前で、ひたすら音楽のことばかり書き込んでいるのはオレである。

*2:「トライブ」という言葉は、さすがに恥ずかしくて使えなくなってきた(笑)。