イナカルスタライブドアオネアミス

「オネアミスの翼」のパート2を作るとか作らないとか、じつはガイナックスの諒解を得ないで勝手に話を進めているとか、仙台をめぐる泥仕合とは関係ないところでもライブドアが愉快な話題を提供しているのを、どれくらいのひとが知っているのだろう。

「クイック・ジャパン」に以前掲載されたロング・インタビューによれば、「オネアミス」の山賀博之監督は映画を撮ったあと、郷里の新潟市でしばらくモラトリアム期間を過ごしていたそうだ。その当時は地元の独立系映画館のモギリのアルバイトで生計を立てていたらしい。新潟市内にある独立系映画館といえばシネ・ウィンド以外には考えられず、高校生だったオレが学生証を持たずに私服で「未来世紀ブラジル」を観に行ったとき、「できれば高校生だと証明できるものを持参してきてください」と注意したのが、あるいはこのひとだったのかもしれない。

ちなみに山賀博之はどこかで「私は地方出身者ではあるが、田舎者ではない」と発言している(「オネアミス」のパンフレットだったかも)。たしかに彼の実家がある万代橋周辺は新潟市のなかでも都市化が進んだ一劃で、間違っても「田舎」ではない。逆に五十嵐に育ったオレを、山賀氏は「田舎者」と軽蔑するであろう。いや、同じ地方都市のなかでも、住んでいる地域で細かい差異化のゲームがあるということを言いたかっただけだが。