オフビートで行こう

としまえんで「スウィングガールズ」を観る。ストーリー展開や演出があまりにもあざといというか、テレビドラマ的に感じられて、ついていけないシーンがいくつかあった。電子ピアノをわざわざ川辺で練習することはないだろう、音楽に愛着のない女子高生がそんなに簡単に譜面を覚えられるはずがない*1だろう、とか。しかし主演の女の子が、横断歩道でほとんど山下洋輔的とさえ言える汎ジャズ主義に目醒めてしまうシーンは、とてもよかった。そうか、あれは視覚障碍者のかたのためのものではなく、オンビートの快感しか知らない粗暴な田舎者に、オフビートの快感を教えるための装置だったのか。どうりでオレの故郷にも多数設置されているわけだ。と、音楽に詳しいつもりでいるスットコドッコイの自尊心をくすぐるような演出こそが、もっともあざといのかもしれないが。

なお「演出やストーリー展開があざとくて不自然」という特徴は、『のだめカンタービレ』にもある程度は当て嵌まるかもしれない。しかし『のだめ』からは、あざとさや不自然さを感じない。それは映画と漫画の違いであろう。漫画は実際の演奏が聴こえてこない分、受け手がいろいろな想像力を働かせる余地があるからだ。

しかし「はてな」のみなさんは、本仮屋ユイカを好きすぎる。そんなに貧乳眼鏡っ娘じゃないと欲情できないのか、お前らは。オレとしては若き日の(いまでも充分に若いが)ヒロスエを思わせる上野樹里のほうが圧倒的に好印象。もともと彼女が主演だよ!

*1:でも義務教育では、ちゃんと譜面の読みかたを覚えるか。しかし音楽の授業がきっかけで譜面を読めるようになったひとはどのくらいいるのだろう。