はてなの本

田口和裕松永英明上ノ郷谷太一はてなの本』(ISBN:4798107042)。一部では伝説と化している「Net Travellers」シリーズが、約10年ぶりに復活! 純然たるマニュアルであるSide Aと、「はてな」ならではの魅力について語られているSide Bから構成されている。Side Bは既存の「はてな本」ではあまり語られなかった側面であり、「はてな」そのもののファンであるひとには興味深い内容になっている。

と、いかにも書評っぽい文体で書き出してみたが、メインの著者とも担当編集者とも10年近い(それこそ「Net Travellers」が出たころから)付き合いがある本について客観的に語るのは難しいので、いつもの文体に戻る。

松永さんが執筆したSide Bはオレのはてな本ISBN:4886487319)でも詳しく触れようと思っていたが、ページ数の関係で大幅にカットせざるを得なかった話題が豊富に盛り込まれており、本音を言えばかなり悔しい。じつはオレの本では、近藤さんだけではなく、ちょっと意外なひとへのインタビューも企画していたのだが。あれ、できれば実現したかったなあ。

ともあれ「はてなダイアリー」は、(株)はてな代表取締役である近藤さんの主張や思想がたっぷりと込められた、かなり異色のブログサービスである。だからこそ「魅力的だ」というひともいれば、「閉鎖的だ」というひともいるのだろう。本書のSide Bは「はてな」ファンだけではなく、「はてな」に偏見を持っているひとにも読んでほしい。オレ自身、ユーザー登録した直後は「はてなダイアリー」独自の機能を鬱陶しいと感じており、「日本人にはBlogより日記」、はてなの人気に迫るというCNETのインタビュー記事で蒙を啓かれた(笑)のだから。