ヘンタイ少女記号学の冒険

最近、小中学生が書いているブログや掲示板が、いかに大人には理解不可能なものになっているかが、一部で話題になっている。そこではもっぱら、彼らの書き込みの内容の乏しさが問題になっているが、オレにとって気になるのは、むしろエクリチュールの異様さだ。具体例をひとつ挙げよう(何が起こるか判らないので、トラックバックは飛ばさない)。


http://plaza.rakuten.co.jp/miki0813/diary/200406150000/


「眠い」「お風呂に入りたいのに入れない」「テストが嫌だ」といった当たり前のことを書くのに、なぜここまで面妖な記号を駆使しなければならないのか。特に気になるのは、アルファベットの「o」(「オー」の小文字)を、句点の代用にしている点だo これは多くの「小中学生ブログ」に共通しているo いまどきの小中学生ならキーボードの入力方法ぐらい、学校で習うだろうo わざわざ入力モードを切り替えてまで「o」を使うからには、それなりの理由があるはずだo しかし大人には、その「理由」が見えてこないo 「。」よりも「o」のほうが可愛いよね、という流行でもあるのだろうかo

もうひとつ例を挙げよう。


http://plaza.rakuten.co.jp/bababababando/diary/


別に内容が優れているわけではないが、おかしな記号を濫用していないだけ、いくらか「まとも」に見える。

総じて、男の子のブログは女の子のブログに較べると、特殊な記号を使わない傾向がある。「変体少女文字」が世を賑わせたのはむかしの話だが、大人には理解不可能な記号をあえて使うことで、仲間内での連帯感を高めたいという願望は、当時から変わっていないのだろう。……なんていう通俗社会学者みたいな説明でお茶を濁すのも心苦しいが、さほどブリリアントな解釈は出てこない。