ルナ系

いきなりウヨクみたいなことを言って申し訳ないが、日本人は日本が生んだツールやサービスを、もっと誇りに思ってもいいのではないか。オレたちにはPerlがなくてもRubyがあるぜ、Movable Typeがなくても「はてなダイアリー」があるぜ、アマゾンがなくてもbk1があるぜ、みたいな。「カルチャー」に関心のあるユーザーであればあるほど、アメリカ西海岸や北欧で生まれたツールやサービスばかりありがたがってしまう傾向は、ちょっとばかり嘆かわしい。「日本が生んだ」からといって、それが「海外では通用しない」とイコールではないのだよ。

「日本で生まれたツールやサービス」は、「ルナ系」(3月9日付の日記の末尾を参照)とカテゴライズできるかもしれない技術者たちがおもに開発している。そして彼らの言葉遣いや態度には、独特のとっつきにくさがある。それはオレも感じることだし、「ルナ系」のひとから自著の誤りを指摘されて、ちょっとだけむっとしたことがある(もちろん、その指摘が正しかったからこそ、むっとしたのだが)。

ともあれ、日本のインターネットのインフラが「ルナ系」のひとたちによって支えられてきたのは事実であり、彼らに対するリスペクトを失ってはいけないのではないだろうか。「そんなこと言われても、あいつらが何をやっているのかよう判らん」という意見もあるだろう。だからこそオレとしては、「ルナ系」のひとたちが築いてきたコミュニティーやツールの面白さ、すごさを、一般の読者にも馴染みやすい文体で伝える仕事ができたらいいなあ、と思っている。IT系のライターとして、オレがもっともやるべきなのは、こうした仕事なのではないか。

あるいは『[はてな]ではじめるブログ生活』を書いたのは、その前哨戦だったのかもしれない。tDiaryと互換性があるという意味では、「はてなダイアリー」も「ルナ系」とかかわりのあるサービスなのだから。