ボサボサ

Morelenbaum2/Ryuichi Sakamoto / A Day in New York [amazon]

ボサノバに関してはほとんど語る言葉を持たないオレだが、坂本龍一のジョビン・シリーズは、前作の「CASA」[amazon]もこれも気に入っている。このひと(ジョビンじゃなくて坂本龍一ね)は基本的にエゴと自己主張のかたまりで、ソロアルバムを作らせると、そこが裏目に出ることが多い。しかし編曲やカバーといった制約の多い仕事になると、エゴがいい具合に漂白され、ミュージシャンとして本来持っている美質が前面に出てくる気がするのだ。パーカッションやギターが加わり、前作よりもリラックスしたムードになっているのも楽しい。どさくさまぎれに自作曲を演っているのもご愛嬌。「最近の坂本龍一はよく判らん」と嘆くオールド・ファンは多いけど、チェリストのジャック・モレレンバウムと組んでいるものなら、どれもお薦め。

それにしても南米音楽について語るとき、「素人が迂闊なことを書いては申し訳ない」みたいな規制が働きがちなのはどうしてなのだろう。