正しい日本語?

ここを読んで、子供のころからワープロ、パソコンを使って文章を書くのに慣れている世代にとっては、自分が使っているマシンのかな漢字変換ソフトこそが「正しい日本語」を知るためのリファレンスになっているのかなあ、と思ったり。同音異義語があったら、優先的に変換される表記が「正しい」と思い込み、漢字に変換できない単語は実在しない(あるいは滅多に使われない)と判断してしまう。

もちろんわれわれにしたところで、生まれて初めて「刺戟」や「恢復」といった表記を目にしたときや、歴史的仮名遣いの文章を読んだときは、「これって間違ってるんじゃない?」と感じたはずで、若い世代のリテラシーの低下を大袈裟に嘆いてみせる資格はないのだけれども。この辺の問題は女性作家ではないほうの篠原一の『電脳日本語論 』(作品社)[amazon]に詳しいようなので、機会があれば読んでみたい(と、ますますアマゾンのショッピングカートの中身を充実させてしまうのであった)。