阿部和重ニッポニアニッポン[amazon]を読み始める。ヒロインの名前が「本木桜」だったりする時点でまともな小説ではないわけで、まあ、笑って楽しむのが一番であろう。しかしこのひとは、何の才能も特技もないわりには自分が特別な何者かだと勘違いしている若い男を描写させるとじつにうまい。そしてそれが「うまい」ことに気付いてしまう程度には、オレもまたそういう男であった時期があったのだが(いまでもそうかも)。