端的に無能

同じ言葉を扱う仕事といえども、広告系と出版系ではノリが違うと以前から思っていた。はっきり言って出版系の人間は、広告系に較べるといろいろな面でちゃらんぼらんにすぎる。「オレの表現」「オレの企画」に対するロマン主義的な信憑が強すぎ、かえって細かな言葉遣いや仕事を頼む側に対する気配りが稀薄になってしまうのだ。オレ自身はそうしたロマン主義とは遠いところにいたつもりではあるのだが、じつはそうでもないことを思い知らされた1日。

それ以前の問題として、オレが30代の男性としてはあまりにも至らない点が多すぎるだけなのかもしれない。「出版」だの「広告」だのといった一般論に溶解させることで、オレ個人が端的に無能だという事実から目をそらそうとしているだけではないのか。