紅白

18:20発の上越新幹線に乗って帰省する。31日のこの時間帯となると、さすがに乗客は多くない。

実家にたどり着いたときは、紅白歌合戦の真っ最中。個人的には紅白ぐらいじっくり集中して鑑賞したい歌番組もないのだが、母親も妹も「民放の番組にロクなものがないから、とりあえず紅白を見てるんだけど、でもやっぱり大して興味を惹くものがないので、ダレたシーンになるとついついザッピングしてしまうのに、最後の『蛍の光』は聴かないと気が済まない」というトライブに属し(とりわけ妹が)、しかも実家でのチャンネル権争いではオレはつねに敗北しつづけているので(とりわけ妹に)、毎年のようにその望みは打ち砕かれることになる。

ちなみに母と妹が共通して褒めていたのは「さくら」と「世界に一つだけの花」で、母親がひとりで懐かしがっていたのが「見上げてごらん夜の星を」なのであった。オレはむしろ、彼女たちの興味の範疇外である「どうでもいいアイドル歌謡」と「救済の余地がない演歌」こそ聴きたかったのに。「見上げてごらん夜の星を」には、オレもまた不覚にもすこしぐっときたのだが。