ルーティン?

アマゾンから届いた"LOOPHOLE"[amazon]を聴く。ハリーとマックにしても、TIN PANにしても、スケッチ・ショウの1stアルバムにしても、このところの細野晴臣の「むかしの仲間とやってます」的なアルバムには、正直に言ってあまり感心できなかった。完成度はたしかに高いのだが、ただそれだけというか。要するにあまりにも手馴れすぎているのだ。

そりゃ、あの細野晴臣がかつての盟友と組んでアルバムを作れば、「いい音楽」になるに決まっている。だがたとえ後世が「失敗作」と評価しようとも、つねに新しい方法論、新しい機材、新しいジャンルを積極的に取り入れる軽薄さこそ細野晴臣の魅力だと思っている人間にとっては、これらの「守りに入った」アルバムはいかにも物足りない。そもそもメロディーが印象に残る曲となると、洋楽のカバー曲と過去の自作曲のリメイクしかない時点で、「ちょっとどうよ?」と言いたくなってしまう。

しかし"LOOPHOLE"には近年の細野作品には乏しかった「ムジチーレンする歓び」が感じられる。これなら3rdアルバム(って、出るのかな?)にも期待してよさそうである。最盛期に較べれば、いささか血の気の失せた音楽ではあるのだが。