ガイジンみたいな名前

自分の子供にガイジンみたいな名前を付ける親に対する批判が高まっているようないないような昨今だが、「マリ」だってもとはガイジンの名前だったのが、いつの間にか和風の名前として定着したわけで(「ケン」、「ジョウジ」、「ナオミ」あたりもそうだと思うのだが、確証がない。「マミ」はフランス語の「ma mie」から来てるのかな?)、それほど目くじらを立てるようなものではないと個人的には思っている。

ちなみに「自分の子供にガイジンみたいな名前を付けちゃうお父さん」の先駆といえば森鴎外で、「於莵」、「茉莉」、「杏奴」、「類」はそれぞれ「オットー」、「マリ」、「アンヌ」、「ルイ」の当て字なのであった(これは高橋源一郎の『日本文学盛衰史』で知ったネタ)。ドイツ系の名前とフランス系の名前がごっちゃになっている鴎外のテキトーさに較べれば、内田春菊の「在波」(アルファ)、「紅多」(ベータ)、「紅甘」(ガンマ)のほうが首尾一貫したものが感じられて潔い。