パッケージング

「自分の作品をCCCDでリリースするミュージシャンは信用できない」という言説にどうしても馴染めないのは、オレが「自分の文章がどうパッケージングされるか」に対して、あまり興味がないからだろう。世の中にはタイトルや装丁に細かい注文をつける物書きもいるようだが、オレはその手のリクエストを出したことはまったくない。基本的には編集者にすべてを任せている。自分がやるべきなのは文章を書くことだけで、「そこから先」にあれこれ口出しするのはみっともないと考えているからだ(だいたいオレはタイトルを付けるのが苦手だし、デザインに関する専門知識はほとんどない)。

だからもしオレがライターではなくミュージシャンになっていたら、自分の曲がCDでリリースされようが、CCCDでリリースされようが、「出せるんだったらどっちでもええわ」という態度を貫くだろう。できればCDでリリースしたいとは思うけれども、レコード会社に「このアルバムはどうしてもCCCDで出したいんですよ」と言われたら、「まあ、そういう事情があるんだったら」と納得する。「そういう態度はくりえ〜た〜として無責任だ」という意見もあるかもしれないが、つまらない駄々をこねて発売時期を遅らせてしまうほうがよほど無責任ではあるまいか。「くりえ〜た〜は自作に関するすべての決定権を握っているべきだ」なんてのは、ロマン主義としても下等な部類だ。