新宿のH

ちょっと高くてもいいから旨いものが食べたい! というわけで新宿にあるHという牛タン屋へ。むかしは東口から靖国通りに出る途中にあったのだが、今年の3月に末広亭の近くに移転。それからは不義理をしていた。何しろ「移転先は末広亭の近く」という情報しかなかったので、見つけるのに苦労する。

店の雰囲気はちょっと変わったものの、いっけん気難しいけどサービス精神旺盛なあるじのキャラクターや、出てくるもののクオリティーの高さは相変わらず。タンやテールの美味なるはもちろんのこと、キャベツを塩もみしただけのお通しが、なぜこれほどまでに飽きさせないのか。このお通しだけで、生ビール2杯は呑める。調味料に依存するのを潔しとせず、素材の味を生かした味付けに、檀一雄の料理もこんな感じだったのかな、とふと思う。

しかし出かける前にネットで店名を検索して、栗本薫の常連店だということを知り、いささか複雑な気分になる。これが宮部みゆき高村薫なら、「ふーん、そうなのか」止まりなんだけどね。

帰宅してからもネットで調べものをして、店のあるじが東映映画の名バイプレーヤーとして名高い人物(故人)の兄弟と知り、さらにびっくり。どうりで店内に演劇や映画のポスターがたくさん貼ってあるわけだ。それ以前の問題として、顔が似ている。


あまりメディアに知られすぎてほしくない店なので、店名はあえて伏せましたが、どうしても行きたいひとは今日の日記に出てくる固有名詞を頼りにして自力で探し出してくださいませ。