No more soured sentiment!
近所の書店をぶらぶらしていたら、下の本に出喰わす。
“ポストモダン”とは何だったのか―1983‐2007 (PHP新書)
- 作者: 本上まもる
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2007/05
- メディア: 新書
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しかもあとがきによれば(アマゾンで「なか見!検索」ができる)、若いころの自分にとっての「文化的なヒーロー」だった坂本龍一に対する幻滅(浅田彰的なものから、中沢新一的なものに「転向」したこと)が、本書を書く上での大きな動機になっているとか。動機までオレと同じじゃねぇか。
かような次第で嫉妬と近親憎悪的な感情にかられそうなので、オレはおそらくは買わないだろう。しかしざっと立ち読みしたかぎりでは、ニューアカの現象面を通俗社会学的に記述するだけではなく、ニーチェからハイデガーを経由し、フーコーにいたるまでのヨーロッパ哲学史の流れもきちんと説明されている。浅田彰ブームはおろか東浩紀ブームですらリアルタイムでは知らない(いまの大学1年生は、『存在論的、郵便的』が出版されたときはまだ小学生だったんだよね)若い読者が副読書として読むにはいいだろう。あくまでも「副読書」としてだが。