「冠」と「祭」は何のことでしょう?

冠婚葬祭のひみつ (岩波新書)

冠婚葬祭のひみつ (岩波新書)

難しい内容でもないのに、雑事に追われて読み終えるのに時間がかかった。「われわれが伝統的だと思っている風習は、じつは近代になってから確立されたものなのじゃー」と指摘する本は毎月(もしかしたら毎週?)のように出ているが、いかにも斎藤美奈子らしいアイロニーを交えつつ、「21世紀の日本にふさわしい結婚式や葬儀のありかた」を提案しているのが特徴。それから結婚式を論じた第2章と葬儀を論じた第3章では文章のトーンが異なる。第2章はシニカルなのに、第3章は真摯。正統的なフェミニストである彼女にとって、結婚式はただひたすら馬鹿馬鹿しいものにしか思えないのだろう。それに対して葬儀(死)は思想信条とは関係なく直面しなければならない問題で、いきおい真剣にならざるをえないのだろう。

サクラ咲く

sociologbook - 今日、下のおっさんが出会い系で知り合った女に会いにいきます。
http://sociologbook.net/log/200702.html#eid96
この「おっさん」が本当に出会えるかどうか、興味津々ではあるのだが、しかし切ない気分になってきた。オレはライターだけでは食べていくのが難しかった時期、悪質な出会い系サイトのアルバイトをやっていた。女性から男性会員に届くあらゆるメッセージがサクラが捏造したもの、という悪質さ。そのときに感じたのは「非現実的な設定のほうが、真剣に信じ込んでしまう男性が多い」ということ。この「おっさん」も、サクラが書いた非現実的な設定のメールを真に受けている可能性が高い。だから切なくなってきたのだ。
弁解めいたことを書いておくが、オレはみずから望んで悪質な出会い系サイトでアルバイトしていたわけではない。求人情報誌でパソコン関係の仕事を探して面接に行ったら、そういう会社に即日採用された、という次第。髪形が自由で勤務時間がフレキシブルで最低限のITスキルしか要求していない「パソコンのお仕事」は、だいたいその手の仕事だと思ったほうがいい。